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自民党の裏金疑惑を刑事告発 [ニュース記事など]

「膨大な量。本当に心が折れそうでした」自民党の裏金疑惑を刑事告発、上脇博之教授が語った『正月返上の収支報告書チェック』きょう国会閉会、捜査の行方は


 自民党安倍派の”裏金疑惑”で大荒れとなっているこの年末。実はちょうど1年前の同時期、正月返上で膨大な収支報告書の束と『にらめっこ』していた男性がいた。疑惑が明るみになるきっかけとなった一人、神戸学院大学の上脇博之教授だ。長年変わらないバンダナ姿で「政治とカネ」の問題を追及し続けている。裏金疑惑について、改めてイチから聞いた。13日で国会が閉会、捜査の行方にも注目が集まっている。

記事全文はリンク先へ

このような学者がいることをうれしく思います。心折れないよう支持し応援するしかないですね。
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2023-12-19

「資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか」 ~第三回~

<今回の内容>
1,前回の復習
2,本源的蓄積について~本書の理論的前提
3,本書の特徴について
4,2章の内容について
 
・今回は、本書の理論的前提になっている資本論1巻24章「いわゆる本源的蓄積」について扱っています。それは、本源的蓄積過程、言い換えると農民から労働者への転化過程というのは本書の理論的前提であるため、この部分について知っておくことで、本書を理解しやすくなるためです。

<本書タイトルについて>
日本語版のタイトルと原題はニュアンスが違う
原題:Cannibal Capitalism
How Our System Is Devouring
Democracy, Care, and the Planet
‐and What We Can Do about It

直訳:共喰い資本主義
    いかにして我々のシステムが民主主義、他者との結びつき、この星を食い荒らしているのか‐そして、私たちはそれに対して何をなしうるか
                  
<前回の復習>
・資本主義は経済とその前提条件との関係として捉える。
    →資本主義経済は様々な前提(収奪、社会的再生産、自然、政体)が存在する
    →経済は非経済的な領域の価値と投入物の上に成り立つ
    →資本蓄積は様々な前提が無ければ成り立たないが、資本は増殖する過程でその
前提条件を破壊する:共喰い資本主義

〔資本主義の自壊、資本主義は最終的には自滅するという考え方
     →恐慌の到来、利潤率低下による蓄積の停止(搾取の領域)
→資本論をどう理解するかにかかわる問題〕  

・資本主義は資本の増殖運動のみならず、その前提をも含めたものとして理解する必要がある 
→(分離が)制度化された社会秩序
・資本主義の矛盾:経済的矛盾(労働と資本との矛盾:階級闘争)と4つの領域の矛盾(生態学的、社会的、政治的、人種的・帝国主義的:境界闘争)

<本源的蓄積について>
・資本論1巻 第七篇 資本の蓄積過程 24章「いわゆる本源的蓄積」
 →資本主義の発生の歴史的過程について論じられている
 →本書の理論的根拠となっている

・本源的蓄積:生産手段と生活手段の資本への転化、直接生産者の賃金労働者への転化
  「資本主義的生産はまた商品生産者たちの手のなかにかなり大量の資本と労働力があ
ることを前提とする…資本主義的生産様式の結果ではなく、その出発点である蓄積を
想定する」
   →「いわゆる本源的蓄積は、生産者と生産手段との歴史的分離過程にほかならない
…それが本源的として現れるのは、それが資本の前史をなしており、また資本
に対応する生産様式の前史をなしているからである」
   →「農民からの土地収奪は、本源的蓄積過程の基礎をなしている」
 
・プロレタリアートの創出
   →「生産者たちを賃金労働者に転化させる歴史的運動は、一面では農奴的隷属や同職組合強制からの生産者の解放として現れる…この新たに解放された人々は、彼らからすべての生産手段が奪い取られ、古い封建的な諸制度によって与えられていた彼らの生存の保証がことごとく奪い取られてしまってから、初めて自分自身の売り手になる。そして、このような彼らの収奪の歴史は、血に染まり火と燃える文字で人類の年代記に書き込まれているのである」
 
   →追い出された農民は盗賊、乞食、浮浪民となるが、これらは犯罪とされて取り締
まられた(「流血立法」)。浮浪人に対しては、むち打ち、焼き印、奴隷化、死刑 
という罰則が与えられたり、「懲役職場」に収容された。
「暴力的に土地を収奪され追い払われ浮浪人にされた農村民は、奇怪な恐ろしい
法律によって、賃労働の制度に必要な訓練を受けるためにムチ打たれ、焼き印を
押され、拷問されたのである」

   →労働法は存在したが、最高賃金額と最小労働時間を規定したものであった。また、
労働者の団結は14世紀から1825年の団結禁止法の廃止まで、法律で禁止されて
いた。

<搾取と収奪の関係について>
・下記の図を参照(省略)
・資本家と労働者の関係は階級関係=搾取によって規定されており、搾取を象徴するものが労働力商品であり、資本主義経済である
・収奪は労働者が創出される過程、すなわち、農民が労働者へと転化する過程である。
収奪による農民から労働者への転化は、直接変化するのではなく、従属し収奪される対象を経由することになる。

搾取                     収奪



<本書の理論的特徴>
・資本の本源的蓄積の理解と理論的根拠を本源的蓄積に求めている点
  →本源的蓄積過程に依拠して、現代資本主義分析を行っている
  →資本の本源的蓄積過程から資本主義の一般的「構造」を導き出している
  →収奪を過去の問題ではなく、現在の資本主義の問題として把握している
  →「秘められた場所」への認識論的転換:交換から生産、搾取から収奪へ

<2章の内容について>
 ・2章の主題:資本主義と人種差別について
   →資本主義に人種差別は必然か
   →人種差別なき資本主義はありうるか
     →「資本主義の発達は人種差別を基盤とした蓄積の、質的に異なる体制の連続」

(なぜ、資本主義に人種差別が必然であるのか?)
・資本主義は搾取と収奪から成り立つものであり、収奪は具体的には人種差別という形をとって現れる以上、資本主義はその成り立ちのうちに人種差別を含むものである。
 →資本主義に人種差別が存在することは必然である。労働者は搾取され、労働者
でないものは(黒人奴隷、朝鮮人炭鉱労働者)は収奪される。

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12月学習会を終えて [組合活動]

 あまりに低俗といえる今の日本の「政治」状況。金権政治という言葉も聞きあきたが、金は人を狂わせ、麻痺させ、思考を停止させるものでしかないのか?狂う人間が低俗としかいいようがないが。

 金のために必死で働く労働者も、闘えなくなってしまっている。
 人は、ただ「賃上げ」のために闘えるものではない。
 
 そこに意味があり、闘うことに尊厳があるから闘えるわけだから。
 そこに行き着くまでに、学ぶ場と時間が必要だ。

 FUF学習会は、なぜ闘うかにたどり着くまでに長い道のりかもしれないが、学んだものしか闘う足場は生まれない。闘いそのものこそが学びであることは言うまでもないが、今はその闘いが無条件にはついてこないから。一歩ずつ、今というこの不可解で混迷した腐敗しかけた社会を知ること、知るために学ばねば。

 実際、学習の場を積み重ねることで、自分自身の言葉を持て、行動へと向かっていく道筋が、一人ひとりの心のなかに生まれてきていると実感する。

 貴重な学習の場、継続は力。





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命令に基づき改めて団体交渉要求 [組合活動]

株式会社ほわいとりりぃ
代表取締役 福 島 義 勝 殿


                     団体交渉申入書


                               2023年11月30日
                             フリーターユニオン福岡
                             代表執行委員 丸田弘篤


拝 啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、2023年10月20日付福岡県労働委員会命令書(以下「命令書」といいます。)の通り団体交渉を申入れますので、2023年12月8日(金曜日)までにご回答いただきますようお願い申し上げます。
まずはご連絡まで。
                                          敬 具

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

昨年より団体交渉の要求を拒否し続けていた(株)ほわいとりりぃに対して、不当労働行為の救済申し立てを行ってきましたが、2023年10月20日付けをもって、福岡県労働委員会より救済命令が発されました。

労働組合からの団体交渉を拒否することは違法行為であるという、当然の結果です。
速やかに会社は団体交渉に応じることを求めます。


2023.10.20匿名命令2.jpg


2023.10.20命令匿名1.jpg



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「資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか」  [組合活動]

<今回の学習会の目的>
 前回の復習が中心になります。

→内容を理解するうえで重要な説明を入れることができず、報告が不十分なものとなってしまったため。
→本書は弁証法について一定の理解が無いと、本書の論理を追うことが難しくなり、内容を理解することが困難になります。そのため、弁証法について一定触れておく必要があったが、それが出来ていなかった。

 ●社会理論を組合が学ぶ意義
  →自分たちの行っていることの理論的な意義を確認する
→現状を説明する術語を持つこと、自分たち自身の社会認識の方法を持つ

前回の内容の復習を兼ねて、ここでなされている議論が、自分たちの運動あるいは日常に、どのように関わってくるのかということを確認する。


<前回の復習と補足>

本書はそもそも何の話をしているのか?
  →私たちが今、どのような世界に住んでいるのか、どのような状況下に置かれている
のかを説明しているのが本書である。

どのような観点からなされているのか
 →マルクス主義的な観点からなされている。
→マルクス主義的とは次の二点において、そうである。

1フレイザーの理論的根拠が資本論にあるため。
2様々な問題を資本主義との関係において把握するという立場に立っているためであることと。
 
 どのような思考方法が採用されているか
 →弁証法である。弁証法的思考の特徴としては、関係とは二者ではなく三者をその
基本単位とするところにある。

 →弁証法的思考は、以前に取り上げた「正義について」でも展開されており、フレイザーの思考方法の特徴であるということもできる。

<資本主義とは何か>

資本主義:「(分離が)制度化された社会秩序」 (→分離とはどういうことか)

資本主義の特徴
   →①生産手段の私的所有、
    ②自由労働市場と自由な賃金労働の利用、
    ➂資本の自己増殖、
    ④市場の役割(商品生産への投入物の配分の決定、社会的余剰の投資決定)
    →経済が機能するためには非経済的な支援が必要とする。上記の資本主義の4つの特徴は、非 経済的な分野によって支えられている。
     →「共喰い」自分の依って立つ基盤を自ら破壊するという特徴持っている。
   
   理論的根拠
 資本論1巻での交換から生産への認識の転換によって、等価交換が不等価交換
  (搾取)によって支えられていることが明らかになった。
    →「生産の秘められた場所」すなわち、搾取の背後には何があるのかというと、収奪である。
      →交換から生産への視点の移行と価値法則から本源的蓄積への視点の移行を、同じ種類の ものとして捉えている。

資本主義の依って立つ基盤
    →商品生産/社会的再生産、経済/政治、人間/自然、搾取/収奪
     →このような分離を作り出し制度化された社会秩序が資本主義である。
    
資本主義の矛盾
    →経済的矛盾(労働と資本との矛盾)と4つの領域の矛盾(生態学的、社会的、政治的、人種的・帝国主義的)
    →経済闘争、ジェンダー、地位集団、「人種」、政治、収奪可能な周辺という4つ
の領域と「経済」との切り離しをめぐる境界闘争も含まれる
  
 <どのように自分たちの運動(日常)と関わってくるのか>
 
 労働問題と社会問題との関わり
     →労働組合が社会問題をどのように認識し、どう関わるべきか
     →労働運動に携わる人がどう振る舞っていくか

 フリーター労働運動の特徴
      →「アイデンティティ・ポリテッィクス」を経由した労働運動
        →アイデンティティ・ポリテッィクスとは、人種やジェンダーといっ
         た自己のアイデンティティに関わる権利闘争
         →個の生き方や在り方と「賃金労働」との関わりを強く意識したものになる

本書との関わりについて
    →従来の労働運動は経済闘争中心
    →FUFは本書で問題にされている境界闘争から出発している

     「労働/生存組合」という在り方は、フレイザーの「制度化された社会秩序」としての
      資本主義という認識に合致した、労働組合の在り方ではないか。
 
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「資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか」  [組合活動]

定例学習会報告

 暑い夏の間、遠ざかっていた学習会スタート。
 この夏に邦訳が発行されていたので、テキストとしました。
 まあ、なんとも、どうしてくれようかというようなタイトルではありますが。おっしゃるとおりでございます。この現実を知らずして今を生きるなかれということでしょうか。
 私たちはこのような現実を生きてるのでございます。
 では、どうする??


「資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか」 
ナンシー・フレイザー著 江口泰子訳 ちくま新書(2023年 8月10日)


資本主義の特徴は共喰い、言い換えるならば、自分の依って立つ基盤を自ら破壊するという性質を持っている。ウロボロスの輪(英語版の表紙にも描かれています)をイメージとしているが、もっと身近な例で言えばタコが自分の足を食べるというものか?

 それはどういうことかというと、資本主義は商品生産と社会的再生産、経済と政体、人間と自然との分離、搾取と収奪の制度的分離を生み出す。商品生産と社会的再生産は分離しているものの、商品生産は社会的再生産をその前提としており、経済活動は政治をその前提としており、搾取は収奪を前提としているが、前者は自らがよって立つ基盤である後者を資本蓄積のために一方的に利用するという関係に立ち、両者の関係は対立的な関係、すなわち矛盾した関係に立つことになる。このような矛盾は様々な領域で争いを引き起こす(境界闘争)。先のイメージと重ね合わせると、経済というタコの頭が、その他の自らがよって立つ領域である自分の足を食べているというようなイメージになる。

 このような資本主義理解は、資本主義を単なる経済システムとしてではなく、資本主義を以上のような分離を前提とした「制度化された社会秩序」として定義づけることで可能となる。
また、この定義は、次のような資本論の解釈に依っている。すなわち、資本の本源的蓄積を歴史性の次元あるいは暴力の次元の問題として、搾取という価値法則の前提としての本源的蓄積という収奪という形で、価値法則と本源的蓄積の関係について、論理的連関をもって理解しているということなるし、また同時に資本主義は構造的に暴力の次元を有しているということになる。

序章 共食い資本主義
 
 問題設定と、主要な概念の定義づけが行われている。現状、様々な危機があるが、それらを「共喰い資本主義」という概念によって、資本主義の矛盾とそれがもたらす危機という形で理解する。つまり、人種、ジェンダー、環境といった問題を特殊個別的な問題として捉え、それらに共通する構造的あるいは普遍的な問題としての資本主義を捉えていく。資本主義を経済システムではなく社会体制として捉えて、経済と他の領域との関係とそこから生じる矛盾について論じられている。
 経済は、例えば家族や地域社会、環境という経済以外の領域が無ければ存在することができない。言ってみれば、それらは経済が成り立つ前提条件であるともいえる。資本主義は、それらを経済が一方的に利用することを良しとする社会であるが、その結果として経済が成り立つ前提を自ら崩し経済自身が危機に陥り、結果、社会全体が危機に陥る。

「カニバル(共喰い)資本主義」。私たちを今日の状況に追い詰めた社会システムを、私はそう呼ぶ(p8)

「資本主義」とは、利益第一の経済が機能するためには非経済的な支援が必要であり、その支援を捕食する権限が経済に与えられた社会秩序…「資本主義」とは経済の種類ではなく、社会の種類を指す(p10)

己の尻尾を喰らうウロボロスのように、資本主義社会は己を貪り喰おうとする。みずからがみずからを不安定化する真の原動力であり、周期的に危機を引き起こすとともに、常に私たちの存在の基盤を喰い荒らす。(p11)

 共喰い資本主義は、複雑に絡み合った様々な社会闘争を引き起こす。生産場面の階級闘争だけではない。資本主義システムの構造的な接合点で生じる境界闘争もそうだ。それは生産と社会的再生産が隣接する場所で…中略…ケアをめぐって対立を誘発する。それは搾取と収奪が交差する場所で、人種、移民、帝国をめぐって闘争を先導するそれはまた、蓄積と地球の岩盤がぶつかる場所で土地とエネルギー、動植物相、地球の運命をめぐって衝突を引き起こす。…(中略)…グローバル市場と巨大企業が国民国家や国境をまたぐ統治機関と出会う場所では、公的権力のかたち、支配、権限が届く範囲をめぐって闘争を駆り立てる。資本主義の概念を拡張すると、単一であると同時に分化した概念のなかに私たちが陥っている現在の窮地のあらゆる構成要素が見つかる。(p11-12)

第1章雑食-なぜ資本主義の概念を拡張する必要があるのか

「資本主義を規定する特徴の前提には別の要素があり、それが資本主義をなりたたせる可能性の背景条件を構成している…生産分野の背後にひそむ、さらに秘められた領域にあって、生産を成り立たせる可能性の条件を探し出すこととする」p19-20

「資本主義社会において市場化された側面と市場化されていない側面とが共存していることだ…実のところ、「共存」という言葉は、資本主義社会の市場化された側面とされていない側面との関係を、うまく捉え切れていない…その倒錯した関係を何よりもうまく表現するのが、「共喰い」という言葉である」p25

「マルクス問う。資本はどこから来たのかと…資本がどこからきたのかという問いについては…土地や財産の剝奪と収奪という、かなり暴力的な話である…非公式ではあるが、収奪は現在も進行中の蓄積メカニズムであり…搾取というフロントストーリーから収奪というバックストーリーへの移行は、大きな認識論的転換を引き起こし、これに先立つすべての議論に異なる光を投げかける」p26

「社会的再生産とは、人間を生み育て、社会的つながりを築いて維持するために必要な生活基盤の提供、ケア労働、相互作用の形を指す」p28

「商品生産と社会的再生産との分離は、資本主義の構造的中心をなす。それどころか二つの分離を生み出したのは資本主義だ。多くのフェミニスト理論家が訴えてきたように、その区分はジェンダー化され、生産は男性と、再生産は女性と結びついた」p29

「資本主義は、自然領域と経済領域との明確な区分を構造的に当然のものと捉える。自然領域は、人間が私物化するための「原材料」をいつでも無料で供給する分野とされ、いっぽうの経済領域は、人間によって人間のために生産される価値の分野とされる。実のところ、この区分は資本主義とともに始まった」p31

「資本主義は構成規範の確立と実施を、公的権力に依存している。つまるところ、企業と市場交換を支える法的な枠組みなしには、資本主義は成立しえない…ここで、また別の構造的分離が浮かび上がる。資本主義社会の構成要素である経済と政体との分離だ。この分離に伴うのが、私的権力と公的権力との、経済的強制と政治的強制との制度的な分化である」p34、35

「(収奪とは)被征服民やマイノリティの富を継続的に、強制的に奪い取る行為だ。収奪はたいてい資本主義に特有の搾取というプロセスの対立物とみなされるが、搾取を成り立たせる条件として捉えなおした方がいい。その理由は搾取も収奪もただ方法が異なるだけで、どちらも蓄積に欠かせないからだ」p37

「搾取と収奪の区分は身分のヒエラルキーに合致する。搾取可能な「労働者」は権利を有する個人であり市民という身分を与えられている…一方の収奪可能な「他者」は自由ではなく従属することでしか生きていけない…資本主義社会において政治的保護を拒否され、繰り返し侵害されてきたのは、人種差別される人々が圧倒的に多い」p38-39



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