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通信47号より [組合活動]

2022.10.14発行 第47号 


「新しい」資本主義? アベノミクス?アベノマスク?



ぜんぶ、安倍のせい?!      

 太田昌国さんは、映画「ぜんぶフィデルのせい」と「言わなければよかったのに日記(深沢七郎)」にヒントを得て、『現代日本イデオロギー標註「ぜんぶ、コロナのせいではないの日記」』とタイトルをつけたそうです(関心のある方はぜひご一読ください)。ほんの2年前のアベノマスク騒動すら記憶から消えつつある私を含めた忘れっぽい日本人にとっては、「ぜんぶ、安倍のせい」のほうがウケルかもだしわかり易いのかもしれない。だが、そこで立ち止まって考えることの重要さを思う。いまや、命や健康を金で売り買いする社会でSDGsなどと嘯き、コロナ禍すら消費とすることが新しい資本主義とでもいいいたいのか。フリーターユニオンの存在も含めて「ぜんぶコロナのせいではない」ことの真理を追求すべく自らの頭で考え判断していくことを貫くしか生き延びる術はないと、持たざるものたちの知恵を寄せ合い発信し続けてきた。そのことで、少なからず組合員のみならず、読者や初期メンバー、相談を含めた反応は続いている。
 結成当初の10数年前、「生きづらさ」だとか「五月病祭」だとか「働いたら負け」だとかを発信しまくっていたころからの読者である。当たり前だがいつしか読者も子育てをし、子どもの学校と向き合う日々となっているのだった。子どものマスク問題で学校とぶつかり、悩んでいるとのこと。その自治体での教育委員会のマスク対応は、「一人がしないとみながしなくなる」といった全体主義丸出しの学校体質をそのままに現したものでしかなかった。マスク問題となるといよいよ周囲の理解が得られないとのことだった。フェイスブックでの発信で看護師として奮闘する現状に加え、働きながら学んでいること、その上でこのコロナ禍での医療現場の違和感についても明らかにできる範囲で発信している初期の元組合員もいる。大きな違和感と疑問を持ちながら、現場で耐え、孤立にも負けずに働き学んでいることに、勇気を得ることもある。
 首都圏に進学し就職8年目の初期組合員も、最近、仕事だけではない生き方を求めてオンライン学習会に積極的に参加している。10月から週4日労働を目指すそうだ。イギリスでは先行して概ねうまくいってるらしいが、日本では制度はあってもこれを利用する社員はほぼいないらしく、この選択はさすがFUF組合員といったところか。さらには、結成当初のメンバーで親の介護でやむなく福岡を離れ、縁が切れていた組合員からも電話があった。突然の名前のない着信に出ると、「Tです。覚えてますか? 」と。覚えてますとも!一瞬耳も疑うくらい時が過ぎていたが、10数年前の結成当初のメンバーTさんの落ち着いた誠実そうな声は変わらない。「まだフリーターユニオンやってたんですね」「生存報告です」と当時、彼が名づけたその名前を切り出して近況を報告してくれたのだった。
 組合の電話が頻繁に鳴っているわけではないが、初めて出会う貴重なコールもある。非正規雇用問題を憂いコロナ禍後の社会を危機感を持って電話してきた方が、事務所での会議に参加して自分の課題で取り組める組合を探しているのこと。会議に参加して問題意識を共有することもできたり。そして、9月の台風と同時期にやってきた相談は、『コンセプトカフェ」での解雇であった。これもフリーターユニオンと同じ時期に結成し、キャバクラユニオンで全国にその闘いを知らしめたフリーター全般労組を通じてのものだ。労働者としてすら認知されてこなかった業界にメスを入れたのは全般労組だった。その闘いの成果が相談者につながり新たな闘いとなっていく。ステイホームだとかソーシャルディスタンス?といったコロナ禍がなした人と人をより孤立化させた社会に、持たざるものたちに必要とされたものもまたくっきりと浮かび上がった。そして、今号通信には、そのようななかでつながった地域や全国の仲間(全世界へと広がるよう願いつつ)が集ったと思う。
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