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「生活保護費判決 算定基準の見直し急げ」 [ニュース記事など]

大阪地裁で生活保護切り下げに対する原告勝訴の判決です。
何が問題であるのか、分かりやすい記事です。

中国新聞より

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生活保護費判決 算定基準の見直し急げ

行政の了見をただした判決だと言えよう。

 国による生活保護費の基準額引き下げを巡り、大阪地裁が初めて「違法」との司法判断を示した。総務省公表の消費者物価指数を引き下げの根拠とせず、独自の物価指数を持ち出した点などを問題視。「裁量権の逸脱や乱用があり、生活保護法の規定に反し違法」と断じた。

 生活保護は、憲法25条で定める「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度である。基準額の改定は客観的な数値に基づき、厳密に行うべきである。制度の基本に立ち返り、算定し直さねばならない。

 国は2013年から基準額の引き下げを加速させた。今回争われたのは、食費や光熱費に当たる「生活扶助」分で13~15年に最大10%引き下げられた。受給者への影響は大きく、広島、岡山など全国29地裁で引き下げ処分の取り消しなどを求める訴訟が起こされている。

 今回の判決は、国が物価下落を考慮する起点を08年としたことを批判した。原油や穀物の価格高騰で物価が上がった同年を起点とすれば、下落率が大きくなるのは明らかだからだ。

 独自の物価指数も、とがめた。物価下落率が高く、生活保護受給世帯の生活実態にも合わない品目を入れている。総務省の消費者物価指数を用いていれば下落率はマイナス2・35%だったのに、独自指数ではマイナス4・78%となっていた。

 「客観的な数値や専門的知見との整合性を欠く」「判断の過程や手続きに過誤や欠落がある」との指摘は、理の当然だ。政府が持ち出した算定基準は、専門家でもはっきり分からないほど「ブラックボックス」化していたとの声もある。

 生活保護費の引き下げは13年、安倍晋三前首相の時に決めた。12年の衆院選で自民党は、支給水準の減額を公約として掲げ、政権に復帰していた。背景には08年のリーマン・ショック以降、受給世帯が急増していたことなどがある。

 社会保障費が膨らむ中、保護費が標的とされたことも否めない。売れていたお笑い芸人の母親が生活保護を受給していたケースが明らかになり、感情論に拍車が掛かった。受給者への偏見や自己責任論が幅を利かせるようになってしまった。

 安倍前政権では繰り返し、基準額が引き下げられた。15年には「住宅扶助」分や「冬季加算」分が削られ、18年から3年かけて「生活扶助」分が減らされている。

 支援団体によると、節約を余儀なくされた受給世帯では、食事の回数を減らしたり人付き合いを控えたりで心身に悪影響が出たという。受給者への無理解や偏見が強まり、苦しいのに受給申請を控える人も増えた。生活保護の対象世帯のうち、実際に受給しているのは2割強に過ぎないとされている。

 生活保護は、国民の命と暮らしを守るセーフティーネット(安全網)である。新型コロナ禍による失業や収入減で、生活苦にあえぐ人は少なくない。今ほど「公助」が求められているときはあるまい。

 国は、判決を誠実に受け止める必要がある。客観的な統計を踏まえ、困窮者の実態や専門家の意見を反映させた、公正な制度作りを急いでほしい。




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人新世の「資本論」 学習会 [組合活動]

毎月第3土曜日の午後は、FUF学習会です。


新書で売れまくっている(?!)若手気鋭の斎藤幸平著『人新世の「資本論」』、ブームが去らないうちに、われらがフリーターユニオン福岡でも学習しましょうということで、資本制社会の崩壊期をおさらいして、いかに生き延びるかを検討することにしました。

目の前のことに必死にならざるを得ない日々、たまには地球規模で、ものを考える時間こそ大切なのかもです。

下記インタビュー記事をリンク。

人新世の「資本論」 斎藤幸平




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FUF通信42号発行しました。 [組合活動]

通信42号を発送しましたので、読者のみなさんにはもう手元に届いてることと思います。
早速、カンパを振り込んでくださった皆様、また感想を送ってくださった方、本当に感謝です。
反応があることこそ、通信を発行する大きな意義であり、また一番大事な財政を指させていただくことは、何よりもありがたいことです。心よりお礼申し上げます。

新に通信を購読してみたいかたもどうぞご連絡くださいませ。


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今号のテーマ:コロナ「禍」を生き延びるー分断と混迷を越えてー

あっという間にコロナ状況が1年を過ぎています。この1年で、何が見えてきたのか、起こっているのか、自分たちの目でみたこと、考えたことを発信してみたいと思いました。




コロナと人権と資本主義

 コロナという文字を見ない日がなくなって1年が経とうとしているが、今あるコロナ「禍」とは、国策の愚に尽きる。チープなアベノマスクと10万円の給付金をばらまいた以外は(その他は各自の申請)、すべてのつけを感染者という名の弱者はじめ労働者へ回すという国の魂胆だ。フリーターユニオンに直接的なコロナ災害での労働相談が増えたわけではないが、そのしわ寄せはじわりじわりとそれぞれの職場や生活を心身両面にわたって脅かしている。敵はコロナウイルスではないことを、しっりと見据え改めてこの状況を知恵を寄せ集めて乗り越えていくこと、それが今回のテーマである。
 まず、この「コロナ大本営発表」はどこから発されているのかという情報統制の問題。少なくともこれまでのウイルス対策治療は町医者でもなされてきたが、そうでないこと自体十分異常な情報統制かる管理だろう。感染者や事業主への罰則だけを強化する立法政策を、より内面化した「世間」では、マスク絶対視の思考停止状態をもたらしてはいないか。「新しい生活様式」とのフレーズだけは浸透しているが、内実は、リモート在宅ワークの推進とウイルス監視のためのアプリ投入程度で、低賃金で働く現場労働者には一切関係ない。ひいては、飲食業界や夜の街での営業自粛は、弱い個人事業主いじめでしかなく、つまるところデリバリーの増殖によるウーバーや、ネット買いをはじめとしたインターネットに依存する生活によってGAFAといわれるアマゾンなどのグローバル企業に吸い取られる政策であり、資本主義は化け物のように変貌している。このコロナ禍は、先端技術を駆使してきたはずの「先進国」において対応付加という危機を煽られ、諸外国との円滑な行き来までが停止している。これを戦時といわずしてなんだろうか。コロナであろうがなんであろうが、近代資本制社会は戦争とセットだということをおさらいしておこう。
 一方でなぜか斎藤幸平といった若手学者が人気をはくし「マルクス資本論」が見直される風潮もないわけではないが、国家権力はコロナ禍を見通してか、目前にして戦後最大の大弾圧を強行した。「生コン界のドン」といわれた関西生コン労働組合武委員長(「武健一郎が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか」旬報社)は、資本論を学ぶまでもなくこれを実践してきた人だ。紙幅が限られているのでこれについてはぜひご一読をお願いするとして、いかにして資本制社会と抗うのか、共存できるかを実践した人だ。それはすべての労働者、中小零細企業の経営者も含んだ人間の尊厳を守るための労働組合運動であり、「持続可能な社会」なんてものではない。
 このようなコロナ禍状況を踏まえ、コロナ禍にアメリカで起こったBLM運動の組合員による生の取材レポートをはじめ、コロナ対策という名の予断と偏見、排除や人権侵害が職場や身の回りの生活で見え隠れしていること、その差別や排除は資本制社会の生きづらさをそのまま反映していることなどをテーマとした。ゲスト投稿として、夜の街バッシングを直接的に生活破壊として受けているキャバ嬢を中心として結成されたオウルズユニオンから田中みちこさんの報告もいただいた。今後ともゆるくつながっていきたい。
 近代資本制社会で、人として生きるには具体的な資本と向き合い仲間とつながる労働組合運動しかないことを、今回もまた確認して「緊急事態」を乗り越え冷静に歩んでいこう。



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アリ地獄天国上映 [本や映画などの紹介]

土屋監督作品「アリ地獄天国」の上映が、KBCシネマで実現し、フリーターユニオン福岡もその鑑賞とトークに参加させていただきました。

いろいろな意味で、このような映画の上映や集客の困難ななか、1回限りの上映ということもあり(最終的に翌日にも2回目が行われました)、予想を超えた観客数となりました。

今、求められている「理由」が多くそこにはあると感じられる映画であり、監督のトークショーでもありました。
下記に、KBCシネマからのリポートがありますので、これを参照させていただきます。

労働組合というよりも、労働者そのものが見えにくい社会となってしまっている現実のなかで、いかに人間が働きづらさを抱え込んでいるかということでもあり、この映画の主人公である西村さん、そして「山ちゃん」に自分自身を重ね合わせられるものであったと思います。

改めて、社会には労働組合、労働運動、働くものを尊重する文化が必要であり、それは当たり前の人間の生きる社会であるのだということを確信する機会となりました。

監督はじめ映画を支えてくださったみなさんにも感謝。





【イベントレポート】
★2/13(土)『アリ地獄天国』
当館で2日間限定上映の本作、初日の本日は土屋トカチ監督にお越しいただき、本編上映後に舞台挨拶を行いました!
ある引越会社で働く男性が、会社の方針に異議を唱え個人加盟の労働組合に加入すると、営業職からシュレッダー係へ配転させられ、給与が半減。さらには懲戒解雇にまで追い込まれる――。
本作は、理不尽な労働環境に置かれた彼の、会社の改善を求めて闘った3年間に密着するドキュメンタリーです。
舞台挨拶では、すべての労働者と失業者の生活・権利の向上を目指して活動されているフリーターユニオン福岡の丸田弘篤さんにも登壇いただき、本作の制作秘話や日本社会に蔓延する労働問題についてさらに詳しくお話ししていただきました。
主演の西村有さんは本作に「この映画で描かれた3年間は自分の誇りである」というメッセージを寄せられたそうです。
そのメッセージについて丸田さんが「自分が作品の中で表現されているという意識、自分の伴走者となりカメラを回し続けた土屋監督の存在が彼を最後まで支え続けた」と語られた姿が大変印象に残りました。
監督の「自分の学生時代にこのような作品があればよかったなあという思いで映画製作をしている」というお言葉の通り、自らの映像作品を通じて、少しでも多くの若者に世の中に適応するためではなくサバイブしていくための知識を届けたいという強い思いを感じられる舞台挨拶でした。
本日はお越しいただきました皆さま、そして土屋トカチ監督、丸田弘篤さん、誠にありがとうございました!
『アリ地獄天国』は明日の9:55にもう一度上映がございます!

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国の生活支援について [事務連絡事項]

下記「詳細はこちら」のところをクリックすると、国のあらゆる支援方法が掲載されたリーフレットが出てきます。掲載しないより、マシですし、こういったこともさまざまな支援団体や労働組合の力でなされていることだと思います。
みなさん、使えるものは使いましょう。


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【生活支援に関するリーフレットをご活用ください】*2月3日一部更新
皆さまの生活を支えるための各種手当や助成金などについてまとめたリーフレットを、厚生労働省ホームページに掲載しています。
各種相談窓口一覧や関連施策の情報もあるので、ご活用ください。
(更新内容はリーフレット末尾に記載)

#新型コロナウイルス

■詳細はこちら https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000622924.pdf






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アリ地獄天国 [本や映画などの紹介]

本映画は、福岡でもKBCシネマで土屋監督のトークとともに上映が予定されてはいますが、このようn時期であるため、オンライン配信での上映も試みられているようです。

KBCシネマの予定は、サイトを確認してください。
2月13日(土)詳細が未定、1日限定の上映となっているようです。

以下の監督の話をどうぞ。


いま仕事で苦境にいる人へ!ブラック会社とひとり闘った社員の記録「アリ地獄天国」オンライン上映実施へ


「コロナ禍のため、職を失った人が国内で8万人を超えたと報道されています。実際にはもっと多いでしょう。コロナを理由に解雇を迫られた事例も後を絶たない。これからさらにこうした報道は増えるでしょうし、アルバイトの職を失い、困窮状態にある学生も増えています。こんなときだからこそ、本作は観てもらいたいんです。」

<映画「アリ地獄天国」スペシャルトーク付きオンライン上映会 Vol.3>

オンライン配信サイト にて

https://streaming.zaiko.io/_item/335198

【スケジュール】

1月30日(土)

14:00~本編オンライン上映開始

15:40 本編終了、トーク開始

16:30 トーク終了予定

【チケット代】1800円 (購入手数料275円が別途かかります)

アーカイブは、2/2(火)の23:59まで視聴可能



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